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『スーパーカブ』の評価・感想

(C)Tone Koken,hiro/ベアモータース

スーパーカブ』

制作:スタジオKAI

公式サイト:https://supercub-anime.com/

オススメ度:5.0

2021/06/17 第12話の感想総評を追加しました

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第1話 「ないないの女の子」

最初の印象は色使いが暗めだなという印象。始まって3分25秒までセリフは無い。スタートの喋り出し(心の声)から「そう、私は・・・」と繋がって第1話のタイトルである「ないないの女の子」というテロップが画面に現れる。小熊(CV.夜道雪)の自分自身には何もないとなぁと実感する心情がよく表現されているように思う。原付で抜かれたことにより急に原付が欲しくなバイク屋に行くわけだが、お金がない。しかし、バイク屋の店長が中古のスーパーカブを1万円で売ってくれる。人を3人死なせているスーパーカブなので1万円らしいが、それを「構いません」と言い切る小熊はスゴイの一言。

小熊がスーパーカブに跨った瞬間に画面の彩度が高くなる。

(C)Tone Koken,hiro/ベアモータース

(C)Tone Koken,hiro/ベアモータース

後日、原付の免許を取得して納車となるのだが、カブで走り出すと彩度がまた高くなる。小熊の心情を画面の彩度で表現しているのだろう。店長も1万円のスーパーカブにヘルメットを付けてくれるなんて男前過ぎる。私も1万円のスーパーカブ欲しいです。

カブを手に入れた小熊は自宅に帰ってカブを駐輪するのだが、一度駐輪した後に駐輪場所を自宅の窓から一番近い場所に停めなおす。さらにはウエスで磨きカブを眺める。夜には車が少ない時に練習をするが、コンビニでガス欠になるが燃料コックをRESにすることでピンチを脱出する。このようにこのアニメにはバイクを持っていた人なら「あぁ~あるある」となってしまいそうなネタが散りばめられている。

この作品では画面の彩度や明度によってキャラクターの心情やその場の空気感を表現しようといった描写が見られ、それが凄くハマっている。

小熊を演じる 夜道雪 は演技が上手いのか下手なのかよく分からない。この感じで他のアニメキャラを表現しようとしたら下手なのかもしれないが、今作の小熊の友達もいなく人見知りなおとなしい女の子という役には合っている。意図的に演じているのかどうかは不明である。

バイクに興味が無い人でも一人の女の子が変わっていく話を楽しく見られる作品になっているように思う。バイクに乗った事のある人ならばより楽しめるであろう。

第2話 「礼子」

冒頭からヘルメットホルダーになかなかヘルメットが掛からないというバイクあるあるを入れてくる。第2話のタイトルも第1話と同じ手法で入れてくる。今後、各話のタイトルはこのパターンでいくのだろうか。2話では小熊がエンジンをかけるのが上手くなっているなど成長が見られる。教室でもベットの中でもカブの説明書を見てる小熊可愛いです。

2話に登場する礼子(CV.七瀬彩夏)はかなりのカブマニアである。カブという共通の話題で二人は少し仲良くなり、お昼ご飯を一緒に食べることに。礼子との会話で小熊の中の何かが変わり始め、その日の放課後はいつもなら曲がらない交差点を右折する。

(C)Tone Koken,hiro/ベアモータース

ここで前日にも描写された交差点のシーンが出てくる。

しかも前日の帰り道に見た青看板をその日の朝登校する際にも逆側から描写され、小熊の中での曲がってみたいという好奇心を強く表現している。

(C)Tone Koken,hiro/ベアモータース
(C)Tone Koken,hiro/ベアモータース

交差点を右折して、いつもなら行かないはずのスーパーに行ったことによって、小熊愛用のレトルト食品が特売されているのを見つける。ちょうど無くなりかけていたレトルト食品が交差点一つを曲がったことにより、手に入るなど小熊の世界が少しだけ広がる。

(C)Tone Koken,hiro/ベアモータース

ここでも朝レトルト食品がなくなりかけているという伏線をしっかり描写していた。

バイクは車と違ってウインカーを出したあとは自分で消さなきゃならないわけだが、これを消し忘れるというのは誰もが一度はやるバイクあるある。

約25分の中の構成が素晴らしく整っている。ゆる~く観ても楽しめるが、集中して観ればより楽しめる作品となっている。

EDのイラストも凄く綺麗で◎

第3話 「もらったもの」

小熊はカブの後ろに取り付ける箱が欲しくて、礼子がJAのおじさんに要らなくなったカブを紹介してもらう。箱を貰った後のためにスーパーで手土産買う礼子、レベル高し・・・。

JAで後ろの箱、学校の先生から前カゴを貰って、小熊のカブの積載能力アップです。

小熊はカブでスピードを出した時の風が気になるようになり、シールドを欲しくなります。しかしネットでシールドの値段を見ると値段が高い・・・そこに図書室で内装工事をしている業者の人の保護メガネをみて代用を考え、売っている場所を業者の人に聞きます。2話でまたの機会にと言っていたコメリにここで行くことになるというのも考えられています。

夢の中で花畑をカブで走る描写は相変わらず彩度や明度を変えて、小熊の中のキラキラしたものを表現している。

礼子から携帯電話の番号を書いた紙切れを貰います。「親はいない。お金も無い。友達も趣味も将来の目標も無い。」と小熊のナレーションが入りますが、本人も気づいてないだけ礼子はで既に友達だろうし、カブが趣味だと思います。

それじゃなきゃカブの後ろの箱を取り付けてこんな顔しませんよ。

(C)Tone Koken,hiro/ベアモータース

さらに前カゴをつけてこの顔。

(C)Tone Koken,hiro/ベアモータース

これを後ろで見ている礼子の表情もまた良い。

第3話のタイトルだが、JAのおじさんから後ろの箱、先生から前カゴ、業者の人から保護メガネの情報、礼子から携帯番号、

(C)Tone Koken,hiro/ベアモータース

そしてカブから笑顔を・・・タイトルどおり「もらったもの」の回となっていた。

第4話 「アルバイト」

オイル交換500円・・・安い。バイク屋のおっさんのファンになりそうです(笑)

アルバイトの前に事前に予行練習として甲府駅まで走ってみるとか、アルバイト前日にしっかりと早めに布団に入るとか、初めてやるアルバイトに対しての小熊の初々しさが出ていて非常に良いです。できればバイト料もう少し出してあげて欲しいです。拘束時間的に最低賃金を割ってしまうのではないでしょうか。

初日の帰りには緊張と疲れた表情をしているが、慣れてきたら笑顔になっているなど細かな演出も良い。

(C)Tone Koken,hiro/ベアモータース

(C)Tone Koken,hiro/ベアモータース

視聴者側としては晴れてばかりで雨は無いのかなと思っていると雨が降るし、他校の先生との会話で「そういえば言ってなかったっけ」というセリフでバイトを重ねるうちに少しづつ仲良くなっているのも分かる。今までだったら高くて買わなかったであろうレインコートも買うし、オイル交換を自分で出来るようになるなど様々な変化を見て取れる。交換したオイルを見てバイク屋のおっさんも「丁寧すぎるくらい」と言うほどだし、バイト代で買ったのだろうがオイル交換をする際の工具も用意してるとこからも小熊のカブへの愛情が表現されている。

オイル交換する際に最初ボルトが外れないが足でレンチを押すことでボルトが外れる。その時の小熊の心模様が作画の明るさでも表現されている。

取れる前

(C)Tone Koken,hiro/ベアモータース


取れた時

(C)Tone Koken,hiro/ベアモータース

これ以外にも第4話だけでみても様々なところで、こういった描写がある。初めて他校に行った時は学校の中が薄暗く描写されるなど、常に小熊の心情に寄り添ってつくられている

1話ごとに小熊の成長が見られ、様々な細かいところまで描写されている、痒い所まで手が届く作品になっている。

礼子の家、メッチャ気になるんですけど・・・。

P.S. 国語教師(CV.茅原実里)夏休みに学校で不倫してないといいんですけど・・・。

第5話 「礼子の夏」

今回の話は小熊ではなく礼子がメインということで、今までとは少し違った作風となっています。礼子が富士山をスーパーカブで登るのに挑戦するわけですが、礼子が挑戦する時の作画のスピード感が今までとは違うアニメを観ている気分にさせられる。BGMも今までの作風からは考えられないほどの疾走感のあるサウンドが流れる。正直、BGM無しでスーパーカブで走るエンジン音などのSEだけでも全然観れるものになっていたと思うが、そこら辺を妥協しないあたりにとても好感が持てる。

お好み焼きを作ったり、家に泊まったり、小熊と礼子が仲良し過ぎるのは何だかほっこりする。自動二輪の免許を取ると言った小熊に礼子が自分の事の様に教習所からカブのカスタムまで考えてくれるあたりは友達でもあり、バイク仲間でもある感じがとても出ている。

原付一種でなにかと不自由と言う小熊さんハンパない・・・。

(C)Tone Koken,hiro/ベアモータース

※このシーンの礼子はいい感じにバイク好きのオッサン感が出ている。

第6話 「私のカブ」

修学旅行の日の朝に熱が出た小熊だが、数時間寝たら熱が下がってしまったので修学旅行先の鎌倉までカブで追いつくという話。途中で富士山に寄ることも考えると150kmぐらいあります。小熊恐るべし・・・。

富士山の五合目までカブで行くが途中で酸素が薄くなってきているのか、小熊の呼吸が少し荒くなっている演出などがとても良い。五合目に到着した時の「今日はこのぐらいで勘弁してあげる」と言う、ライダーズハイになっている小熊が可愛い。

小熊が合流した後に小熊の話を聞きたくてしょうがない礼子のこの顔がたまらない。

(C)Tone Koken,hiro/ベアモータース

自由行動では先生方に修学旅行中のカブは禁止されていたのに、勝手にタンデムで出かける二人はなかなかヤンチャです。きっとカブに出会う前の小熊だったらこんな行動を取ることは絶対になかったと思います。

今回の話は小熊が完全にライダーの仲間入りをし、そんな小熊の変化が嬉しくてしょうがない礼子といった感じの内容となっています。

どんどんと仲良くなっていく二人にほっこりとしてしまいます。

ジャージでは寒いのではないかと思いましたが、気温のことは分からないので置いときましょう(笑)

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