あらすじ
アイドルを目指して努力を重ねてきた宮沢風花は、結局その夢を諦めて仕事を辞め、一人沖縄へと旅に出かける。一方、沖縄に住む女子高生の海咲野くくるは学生生活の傍ら、祖父が営む「がまがま水族館」の業務を館長代理として手伝っていた。旅中に偶然水族館を訪れた風花はそこで不思議な体験をし、出会ったくくるに対し、ここで働かせて欲しいと頼み込む。
引用元:ウィキペディア(Wikipedia)
第1話 「熱帯魚、逃げた」
製作発表された時から期待していた作品です。放送時期を把握していませんでしたが今クールにこれがあって助かりました。異世界ものが多すぎて、異世界疲れしていたところです(笑)
P.A.WORKSが制作というだけでかなりの安心材料になりますし、昨今はアニメオリジナル作品が少ないので期待値も高いです。原作が人気の作品をアニメ化すればそれなりのクオリティが計算できるかもしれないですが、その中でアニメオリジナル作品を制作するということ自体に私はロマンを感じてしまいます。
ストーリーが面白いかどうかに関しては今後も注視していく必要がありますが、1話だけでもディティールに拘ったつくりになっていると感じました。
イシガキカエルウオを水族館で見た宮沢風花(CV.逢田梨香子)がイシガキカエルウオと自分を重ねて アイドル時代を回想しますが、その回想シーンの作画に少しばかりの揺らぎがあります。その揺らぎは単に水槽の揺らぎなのか、風花が目に溜めた涙の揺らぎなのか、はたまた風花の心の揺らぎなのか、その全てを演出しているのかは制作者にしか分かりませんが、それらをアニメの中に落とし込んで視聴者側に託すあたりは視聴者をアニメの世界観に引き込むのに十分な効果があると思います。
海咲野くくる(CV.伊藤美来) からバイト募集の話を聞いた時に風花の決意とペンギンの飛び込みがリンクしているシーンも、何気無いワンシーンですが素晴らしいです。
作画に関しては24分間文句の付け所がありません。さすがP.A.WORKSといったところです。
第2話 「濡れるのも仕事のうち」
こういった青春群像劇が私は好きなのである。巷のアニメ好きはどう感じているのかは分からないが、マジメに?(笑)アニメを観ている人なら嫌いな人はいないように思う。また、こういったアニメはなかなか見せ場が無かったりしてしまうため飽きを感じてしまう人もいるのではないかと思うが、そういったことを防ぐためにも作画の綺麗さは大事なポイントである。P.A.WORKSが青春群像劇を多くやれるのも安定した高クオリティの作画技術があるからだろう。
今回もこれといった見せ場があるわけではないが、作画のクオリティが視聴者を世界観に吸い込んでくれるので24分間が短く感じる。
風花が金貸しを追い払うシーンなどちょっとした風花の成長や構築されていく人間関係が視聴者側の心を満たしてくれるのである。
私が影響されやすいだけなのもあるが、沖縄に行きたくなってしまうだけの魅力があるアニメである。
第3話 「いのちは、海から」
やっぱり面白い。何が面白いのかと説明を求められると説明するのは難しいのだが、24分間があっという間に感じるというのは面白いという証拠である。
バトルアニメだとどこどこの戦闘シーンがとか見せ場を語るのは容易だが、こういったアニメではそういったことは難しい。今回でいえば人の成長や絆、成長する過程の一部をしっかりと描けているといったことが面白さの説明となるのだろうか・・・。ただそういったものを視聴者に感じさせるためには、アニメの世界観に入り込んで視聴してしまうだけの創意工夫が必要になってくる。
今回だと子供が生まれそうになって慌しい感じに対して、竹下先生が水族館で夢を見ているときのBGMの演出による時間の流れの対比などにより、慌しい中にも優しげな安心できる空間を感じることが出来る。そういった細かな描写の積み重ねがこのアニメを構成しているのだろう。
ファーストペンギンのキーホルダー不人気なんですね・・・私は凄く欲しいですけど。
第4話 「長靴をはいた熱帯魚」
くくるが風花に仕事を任せる気になったのか聞かれた時にファーストペンギンがお揃いなのと答えるあたりが伏線の回収というか、前回の話でくくると風花の絆が深まったことなどを表現しながらも櫂にはちょっぴり秘密であるかのように見せる、とても言葉の効率としても良く粋な表現に感じました。
風花が元アイドルであることが水族館に来たお客さんにバレてしまいますが、沖縄に来てから関わってきた人達の協力もあり事なきを得ることが出来ます。こういったトラブルからさらに少しづつ絆が深まっていく人間関係とともに進展していくストーリーを楽しんで観ています。
Cパートでは風花の母親が沖縄に来るという次回が気になる終わり方をしますが、今までCパートは無かったのにこの辺でそのような構成にしてくるあたりは秀逸ですね。
うみやん良いヤツ・・・。
第5話 「母の来訪」
風花の母親が沖縄まで迎えに来たことで、くくるが風花に逃げることを提案してそれを実行します。アニメを観ている大人達からしたらそんなことをしても何も解決しないことは分かっているが、こんな観ている方が思わず顔を手で覆い隠してしまいたくなる若気の至り的な展開が堪らなく良い。こういった展開には否定的なツッコミもあったりしますが、これがアニメであり青春群像劇というものなのである。
逃げている最中でイシガキカエルウオの事を思い出して風花はがまがま水族館に戻ります。水族館に戻ってイシガキカエルウオをお見送りした後に、もう少し沖縄にいてくくるの夢の手伝いをしたいことを母親に勇気を振り絞って伝えるのですが、このシーンの裏にはどんな意図が含まれているのかと想像してしまいます。単純に母親に沖縄にいたいことを伝えたといえばそれまでですが、以前の風花だったら伝えられなかったのかもしれません。
母親に伝えるという勇気やがんばりといったところが、沖縄に来てからの短い間にファーストペンギンやイシガキカエルウオなどにのせて演出されているのではないかと感じました。ですから今話のなくなってしまう生き物はイシガキカエルウオであることなのも絶対に譲れないところなのです。
第6話 「スイーツラプソディ」
今回は一言で言ってしまえばうどん回です。うどんちゃんが頑張ります。都会の人からすれば水族館の前で何かを売るっていう考え自体が安易に思えるかもしれないが、田舎の方だと意外にあったりしますよね。こういったことを考え即実行といったところに青臭さを感じてしまいますが、それもまた青春群像劇のアニメの良いところです。
常連客のおじいさんががまがま水族館で亡くなったお兄さんに会えたという話をすると、くくるも回想で両親らしき人ともう一人くくるに似ているような女性に会うことが出来ます。これがくくるが持っていた2つの母子手帳と深い関係があり、今後のストーリー展開の大事な部分となってくるのでしょう。こういったところの幻想的な空気感を描くレベルの高さにP.A.WORKSの凄さを改めて感じます。
うどんちゃんのつくるかき氷ですが、これが相当レベルが高い。これはSNSでバズりそうなレベルです。
うどんちゃんのマンゴーラフテーも食べてみたいです。私は酢豚にパイナップル入っていても大丈夫なタイプですよ(笑)
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