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『白い砂のアクアトープ』の評価・感想

(C)projectティンガーラ
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第19話 「さよならハイヒール」

風花が完全にアイドルとの決別する話となっています。正直なところ第一部の終わりのまま風花のアイドルの話は終わりなのかなとも思っていましたが、視聴者が少し引っ掛かっていた部分をしっかりと回収してくるあたりはさすがだなと思います。

アイドルとの決別を描くと同時に飼育員としての風花の今までの成長も描かれていて、そのアイドルではなく飼育員としての生き様でアイドルの後輩に勇気を与えることが出来る風花の全てがCパートの風花の「私、この仕事が好きみたい」という台詞に託されていてとても良いまとまりになっていました。

一話の中での盛り上がりなどには欠けますが、逆に終始こころが温まる内容となっていました。

話の隠れ主役であるペンギンのしらたまちゃんも可愛く描けていました。少し怖がりで風花の足の間に隠れるところなど細かな描写から風花が周りの人からだけでなくペンギンからも信頼されていることが分かる、とてもディティールに拘られた24分間になっていました。

第20話 「迷子のプランクトン」

まさに副題の通りプランクトン(くくる)が自身のやっている仕事に迷子になってしまいます。

筆者はおっさんなのでくくるがキチンと仕事に向き合っていない気がしてしまいますが、高卒一年目の女の子がやりたい仕事ではない部署に回されたと考えれば凄く良くやっているというのは間違いないでしょう。くくるが頑張っているのは周りのみんなも分かっているからくくるに苦言を呈するようなことはしないのだと思います。正直、筆者の感覚としては副館長は正しいことしか言ってないし、とても良い上司に感じます。

登場キャラクター全員がくくるに対して優しいのは分かりますが夏凛ちゃんぐらいはキツく言ってほしいとは思います。もちろんそういったシーンは次回かもしれませんし、くくるが自分で立ち直るのかもしれません。

今回の24分間は終始視聴者側の気持ちが晴れるような内容では無く、ずっと曇天のような感じがする内容でしたが視聴者側にそれだけくくるの迷いなどが伝えられたという証明ではないでしょうか。

第21話 「ブルー・タートルの夢」

毎回ずっと思っていることがあるのですが副題にセンスを感じてしまうのは筆者だけでしょうか。

今回もなかなか立ち直れないくくるを描きながら最後には立ち直る兆候の余韻を持たせつつ自戒へ続きましたが、そこに優しく寄り添う風花の姿がより印象的でした。

副館長の真意は分かりませんがティンガーラの他のスタッフはくくるのことを心配してくれていました。今までのくくるの行いによるものでしょう。だからこそ筆者としましては夏凛ちゃんや風花にはくくるを強めに叱ってほしいと思います。

今回の終わりで立ち直る兆しは見えましたので次回には立ち直り、新エリアオープンというプロジェクトを成功させての大団円といった形の最終回に向かっていく感じでしょうか。

それにしてもうみがめの産卵という神秘的なシーンすら圧倒的な作画力で描ききる P.A.WORKSのレベルの高さとこだわりには言葉もございません。

第22話 「覚悟の帰還」

くくる復活!です。

ティンガーラ・ウェディングの企画も無事に通ります。白い砂の上を裸足で魚達に祝福されての結婚式。とても素敵な企画になっていると思います。筆者には全くもってリアルに想像することはできませんが・・・。

ティンガーラ・ウェディングがこのアニメにとっては中身よりもくくるが慣れない企画の仕事を自分の力で勝ち取るという、挫折からのストーリーという事が大事なのは分かっていますが、正直なところ企画の中身をもっと知りたいと思ってしまいました。

披露宴での料理はどういったものが出るのか?記念撮影はどのような感じで行なわれるかなどの細かいところまで描写されていれば、よりティンガーラ・ウェディングというものにくくるの全てがつぎ込まれた様な感じとなって視聴者にもくくるの成長が伝えることができたのではないでしょうか。

勝手に今後の展開を予想しますが、これはきっとくくるは飼育員にはとりあえず異動せずにより魚たちのことを知ってもらうために営業部として企画・広報・営業という仕事を続けていく展開になるのではないでしょうか。

ありきたりな適当な予想ですけど。

第23話 「水族館の未来」

前回ありきたりな予想を勝手にしましたが、くくるは営業として成長することを決断しました。また、風花も選考を通過し海外研修に行くことが決まりました。
風花は海外研修には行きたいと思ってはいたもののくくると離れたくなくて迷いを持っていました。くくるは自分が心配をかけてしまい風花をお姉ちゃんという存在にしてしまっていたことが風花の足枷になってしまったと考えていましたが、風花もくくるという存在がいたからこそ今の自分があるのだと、くくるを必要としてしまっているのだということでした。

結局はお互いがお互いを必要としていて、良く言えば共存であり、悪く言えば共依存です。

これから最終回を迎えるにあたって生き物を思う最終的な目的は同じでありながら、お互いが自立して学ぶという道を歩んでいくという流れなのでしょう。最終的に海外研修を終えて時間が経過し、成長した二人が再会して終わりという感じでしょうか。

それにしても海外研修の選考で水族館経験の浅い風花があれだけのことができるって有能すぎませんか・・・

第24話 「白い砂のアクアトープ」

ついに最終回になります。やはり24話あるとなかなか見応えがありますね。

内容としては大方皆さんが予想できるであろう、くくるの大仕事であるティンガーラウエディングが成功し、風花が海外研修に行ってしまいます。そして予想通りの時間経過からのくくると風花の再会でフィナーレを迎えるという王道中の王道な流れとなっています。

そんな王道な終わり方でも・・・いや王道な終わり方だからこそ夏凛ちゃんが飼育員になっていたり、空也がチーフだったり、うどんちゃんがティンガーラのシェフになっていたり、櫂が飼育員に戻ってたり様々な痒い所まで手が届く内容の終わり方となっていました。

そりゃあ言ってしまえば予想を超えてくるような終わり方ではないですが、気を衒ってもどかしさの残るような終わり方ではなく素晴らしかったです。

仮に気になるところがあるとすればキャラクター達の恋愛事情くらいでしょうか。しかし、それは若干本筋から外れてしまうので、そこは視聴者の想像で楽しむところでしょう。

~総評~

神アニメとまではいきませんが良作なのは間違いないでしょう。アニメを観る人達は様々な要素を求めて観るアニメを決めていると思います。そういった意味では青春群像劇というジャンルでは刺激が足りず物足りなさを感じてしまうユーザーも間違いなくいるとは思いますが、筆者としてはこういったアニメが年々少なくなってしまっているのはとても残念です。しかも、アニメオリジナル作品でこの内容にしてこのクオリティ! P.A.WORKSがどれだけアニメに対して真摯に向き合っているかが分かる作品となっています

こういったジャンルのアニメはあまり観ないという人も是非一度最後まで観て頂きたい作品となっています。意味が通じるかは分かりませんが、アニメというものにどれだけアニメーションが大切かが分かるのではないかと思います

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